老舗百貨店再建へ進む資産売却――山形屋が〝最後の大型物件〟売却へ 鹿児島中央駅近くの住宅地、一般入札を想定

2025/05/29 11:23
売却予定の「山形屋情報物流センター」=23日、鹿児島市薬師2丁目
売却予定の「山形屋情報物流センター」=23日、鹿児島市薬師2丁目
 経営再建に取り組む老舗百貨店・山形屋(鹿児島市)の「山形屋情報物流センター」(同市城西3丁目)が土地の売却を見据え、2027年2月までに現地での業務を終えることが28日までに分かった。センターに入る3部門は移転するため、事業縮小や人員削減はない。事業再生計画に基づく資産売却の中ではもっとも資産価値が高いとされ、大型物件では最後となる見通し。

 山形屋によると、センターの機能はグループ内移転で補えると判断、売却により財務健全性向上につなげる狙い。

 センターは、JR鹿児島中央駅から2キロ圏内にあり、周辺は戸建てやマンションが並ぶ。市道2本に面するL字型で、面積は5619平方メートルと売却予定地では山形屋商事(同市卸本町、7567平方メートル)に次ぐ広さ。売却先や時期、建物の取り扱いは未定で、一般入札を想定している。

 センターは1983年、グループ会社の「山形屋物流サービス」の一部移転に伴い開設した。90年の増築で現在と同じ延べ床面積1万64平方メートルとなり、山形屋の情報システム部門(現・山形屋情報システム)が入り、2013年からは山形屋の通販部門が入居する。

 物流サービスは山形屋大峯物流センター(同市西別府町)へ、通販部門は山形屋本店新3号館(同市中町)に移転する方針。情報システム部門は、これから移転先を検討する。

 計画に基づく資産売却は、閉店済みの山形屋サテライトショップ姶良(姶良市西宮島町)と山形屋ストア西皇徳寺店(鹿児島市皇徳寺台4丁目)のほか、山形屋商事と朝日通り立体駐車場(同市金生町)の営業終了が決まっている。

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