奄美群島の12市町村の首長らが出席して開かれた締結式=26日、奄美市のアマホームPLAZA
戦後に奄美群島(鹿児島県)から多くの人が労働者として移住した兵庫県尼崎市は本年度、市内の中学生を群島に派遣する教育旅行事業「AMAフレンドシップ」を始める。「交流を深めることで、市の発展を長年支えてきた奄美群島にゆかりがある人たちへの恩返しになれば」と企画。同市の松本眞市長らが26日に奄美市を訪れ、群島12市町村でつくる広域事務組合と覚書を結んだ。
同組合などによると、奄美群島からの移住者は尼崎市の鉄鋼や繊維業で働いた。同市の人口約45万人のうち約4万人が奄美にゆかりがあるとも言われる。関西にある群島の郷土会の会合も、多くが同市で開催されているという。
尼崎市は本年度、市内にある17の市立中学校の計34人を8月18~21日に派遣。大和村で国指定特別天然記念物のアマミノクロウサギの展示施設を見学したり、龍郷町で民泊したりする。予算額は約750万円。同月2、3日には、奄美群島の12市町村の特産品を一堂に集めた物産展も尼崎ボートレース場で開催する。
締結式には12市町村の首長らも出席。松本尼崎市長は「子どもたちには奄美の自然や文化に触れるとともに、市の発展の歴史についても知ってほしい」と語った。広域事務組合管理者の安田壮平奄美市長は「尼崎市との絆をさらに強くしていきたい」と述べた。