記者の質問に答える城山ストアーの池畠丈二社長(中央)=2日、鹿児島市の鹿児島サンロイヤルホテル
一部事業の譲渡が明らかになっていた鹿児島市の城山ストアー(池畠丈二社長)は2日、同市で記者会見を開き、業務用食品卸の西原商会(同市)にスーパー運営事業を売却したと発表した。6月1日付。弁当店を含む全5店舗の営業や従業員130人の雇用は継続する。屋号も変わらず、顧客や取引先への影響はないとしている。
1日に同事業を引き継いだ子会社「城山スーパー」の全株式を西原商会が取得した。城山スーパーは同日付で社名を城山ストアーに変更し、旧・城山ストアーは1年をめどに特別清算する。債権者は金融機関と県信用保証協会の4者で、負債総額は非公表。他のクルーズ船事業や学研事業などは5月末までに停止した。
池畠社長(40)によると、同業他社やコンビニエンスストア、ドラッグストアとの競争激化で2017年ごろから赤字が続いていた。新型コロナウイルスの影響のほか、人件費や光熱費の高騰などに対応できず売却を決めた。
新・城山ストアーでは、西原商会の西原一将社長(49)が代表取締役会長に就き、池畠社長は取締役社長として経営陣に残る。池畠泰光代表取締役会長(75)は退任した。
池畠社長は「顧客や従業員を守り、歴史を次世代につなぐ事が経営責任だと感じている」。西原会長は「従業員と一緒に戦略を練り、より良い買い物の場を提供したい」と述べた。
旧・城山ストアーは1970年12月創業。2024年8月期決算は売上高18億円、純損失264万円だった。
西原商会の企業買収は37社目。スーパー運営への進出は初めて。