鹿児島県が鹿児島港本港区のドルフィンポート跡地に整備を計画する新総合体育館事業に対し、反対意見や賛意を示す陳情が、県議会6月定例会に90件程度提出されていることが3日、分かった。そのうち50件以上は反対とみられる。
昨年9月の定例会で、県警の相次ぐ不祥事を巡り出された陳情は22件で、大幅に上回る異例の数となる。県は基本構想通りの観客席8000席を維持した場合、建設費が423億円に上ると説明。税金の使い道の妥当性や新体育館の必要性を巡って、県民意見が大きく割れている現状が浮き彫りになった。
陳情は2日が提出締め切りだった。関係者によると、提出者は個人や市民団体の関係者など。反対陳情はインターネットや交流サイト(SNS)での呼びかけで広がったと見られる。
一方、県内自治体の首長で構成する県市長会と町村会などは5月末、新体育館事業の推進を求める要望書を県に提出。資材や燃料価格の高騰で、着手が遅れるほど県民負担が増す懸念があるとし、「丁寧かつ十分な説明をした上で議会の議論を踏まえ進めてほしい」と求めている。