〈資料写真〉自衛隊基地の整備が進む馬毛島=1月10日、西之表市の馬毛島上空(本社チャーター機から撮影)
鹿児島県西之表市の2024年度のたばこ税収入が地方税法の定める上限額を1074万円上回ったことが6日、市などへの取材で分かった。超過分は県に納める形となり、自由に使える県の一般財源となる。同市馬毛島での自衛隊基地整備で多くの工事関係者が滞在し、たばこ消費が増えたことが要因とみられる。
西之表市の24年度の上限は約1億8478万円で、税収は約1億9553万円(見込み)だった。県に交付する額を盛り込んだ一般会計補正予算案を11日開会の市議会定例会に提出する。
地方税法は、前々年度の全国の市町村たばこ税合計額や、国勢調査による20歳以上人口(常住、昼間流入)などを基に、税収の上限を自治体ごとに設け、超過した場合は差額を都道府県に交付すると定める。20歳以上人口が多いほど上限額は高くなる。
同市のたばこ税収はここ数年で急増する。23年度は前年度比3371万円(24.6%)増の1億7052万円。24年度は同14.6%の伸びだった。市担当者は「馬毛島基地整備で多数の工事関係者が来島していることが一因」と推測する。
基地整備は23年1月に本格化。防衛省発表資料によると、工事関係者は23年4月約870人、24年4月約3440人で、馬毛島島内や種子島1市2町に居住・滞在した。25年4月はピークの6000人規模に達している。
中種子町のたばこ税収も21年度を境に増加に転じ、24年度は9494万円。
直近の国勢調査は20年だったため、基地工事に伴う人口増加は、24年度のたばこ税上限算定に反映されていない。