町内会、回覧板のデジタル化進めてます 加入者ほぼ半減に危機感 未加入でもSNSで閲覧、急な変更もネットで情報共有

2025/06/09 14:30
お知らせや会報が載った常盤町町内会のオープンチャット
お知らせや会報が載った常盤町町内会のオープンチャット
 鹿児島市の町内会でホームページを開設したり、情報伝達に交流サイト(SNS)を使ったり、デジタル技術を活用した取り組みが進んでいる。市全体の加入率が半分程度に低下する中、若年層の関心を高めることや、役員の負担を軽くする狙いがある。

 常盤町町内会は2024年度、LINE(ライン)のオープンチャットを始めた。会報などに載せたQRコードで登録すれば、回覧板や催し案内、イノシシ出没といった情報が届く。末永重明会長(71)は「イベントの中止など急な連絡にも対応できるのがいい。急傾斜地などに住む高齢者にも確実に情報が届けられる」と効果を感じている。

 登録者数は町内会員約730世帯に対して約250人。ニックネームで登録し、個人を特定できないようにしている。域外に住む子世代が高齢の親に代わり登録する例もあるという。末永さんは「町内会未加入者も情報を見ることができるので関心を持つきっかけになれば。紙の回覧板も続けながら、着実に登録者を増やしていきたい」と語る。

 西田文化協会(町内会)は、24年度に開設したホームページに回覧物や行事予定を載せている。約1300世帯が加入する大規模組織では、回覧板が行き渡るのに時間がかかるからだ。役員間の連絡はグループラインを使う。

 鶴田敏彦副会長(69)は「デジタル技術は確かに便利だが一方で、対面で手渡しする良さもある。当面は2系統でいく」と話す。

 市は23年度から町内会向けにデジタル技術講座を開く。6回の講座に初年度は延べ175団体、2年目は同198団体が参加。24年度からは補助金も設け、これまで22団体が受けた。

 市地域づくり推進課の寺師俊孝課長は「今はまだ過渡期だが、役員の負担を軽くし、活動を円滑に進めるのにデジタル技術の効果が期待できる。関心は高く市としても後押ししたい」と話している。

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