医療法人徳洲会の指定管理が決まった公立種子島病院=南種子町中之上
南種子町と中種子町が設置する公立種子島病院(南種子町中之上)の病院組合議会は10日、指定管理者に医療法人徳洲会(本部・大阪市)を選定し、10月から運営を委託することを決めた。現在は常勤医が1人しかおらず、委託によって安定した医師確保と医療提供を目指す。指定期間は2040年3月末まで。
同日、関連議案を可決した。今後、受委託の内容を詰めて正式に契約する。
同病院は内科や外科など9診療科がある。24年10月に前院長が亡くなり、現在は常勤医1人。入院を制限し、一般病床の稼働率は3割程度にとどまるほか、救急も休止している。
病院によると、24年度は過去最大の2億3745万円の赤字。今後も制限が続けば月約2800万円の赤字が見込まれるという。
病院は24年3月に策定した「経営強化プラン」に基づき、病床数を維持しながらの対策を模索。離島医療で実績のある徳洲会に支援を打診していた。医師不足解消に向け、5月30日には防衛省から派遣された研修医も着任した。
病院設置者の小園裕康南種子町長は「種子島南部の中核病院として役割を果たしていく。医師確保は一刻の猶予もない」と話した。議員からは徳洲会と地元医師会の関係を不安視する意見が出た。