ほのぼの、手書き感がいい…楷書の可能性を追求した和文フォント「くろむぎ」、1092作品が集まったコンペで最高賞

2025/06/12 17:02
最高賞を受賞した「くろむぎ」
最高賞を受賞した「くろむぎ」
 鹿児島県出水市出身のプログラマー遠矢良彦さん(33)=東京都=が制作した和文フォント(書体)作品が、フォントメーカー大手「モリサワ」主催のタイプデザインコンペティションで金賞を受賞した。45の国・地域からの応募作1092点から最高賞に選ばれた。

 遠矢さんの作品「くろむぎ」は「和風なイメージに限定されがちな楷書の可能性を広げたい」と、楷書を切り絵のようなすっきりとしたシルエットで表現。単純な線ながらほのぼのとした雰囲気や手書き感がある点や、完成度の高さが評価された。

 同コンペティションは、1984年に始まった「モリサワ賞国際タイプフェイスコンテスト」を前身とし、40年以上続く。和文、欧文、簡体字、繁体字、ハングルの5部門で、参加者の多くはプロのデザイナー。遠矢さんは学生時代から学業や本業の合間を縫って4度挑戦し、今回が初の受賞となった。

 5日、東京都で表彰式があり、遠矢さんは「金賞とは思っておらず驚いた。これからも真摯(しんし)に文字に向き合いたい」とあいさつした。受賞作はモリサワから商品化される可能性もあるとあって、「アイデアはまだたくさんある。挑戦を続けたい」と話している。

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