「少し硬めでもちっと…」店頭に並び始めた備蓄米、食物栄養学専攻の学生が鹿児島県産、アメリカ産と食べ比べてみた

2025/06/13 11:50
それぞれの味や食感を比べる学生ら=10日、鹿児島市の鹿児島女子短期大学
それぞれの味や食感を比べる学生ら=10日、鹿児島市の鹿児島女子短期大学
 政府備蓄米の販売が鹿児島県内でも始まった。気になるのはその味だ。鹿児島市の鹿児島女子短期大学生活科学科の学生らに協力してもらい、県産米や外国産米と食べ比べた。

 準備したのは、県内のスーパーで販売された2022年富山県産の備蓄米(5キロ1980円)と、24年県産米「伊佐あきほなみ」(2キロ2354円)、同年アメリカ産「カルローズ」(同1835円)を各3合。とぐ回数をそろえ、それぞれ洗米後に30分水に浸した。炊飯時の水の量も同じ。

 白飯が炊き上がると、学生たちはにおいをかぎ、少量ずつ実食した。

 備蓄米について、前田陽来さん=食物栄養学専攻2年=は「市販のパックご飯のよう。少し硬めでもちっとした食感」。上門夕夏さん=同=は「炊飯ジャーで長時間保存していたようなにおいがした」と話した。周りからは「備蓄米だけ出されたら、もち米のようでおいしいって言いそう」との声も上がった。

 県産米については、においも味も全員が高評価だった。カルローズは県産米より甘みが少ないと感じたようだ。「ふりかけやカレーをかけたら、もっといいかも」と声をそろえた。

 一方、同専攻助手の新蔵朝世さん(44)は備蓄米の袋を開けた際、「油が酸化したようなにおいが少し気になった」と話す。

 そのため、備蓄米にみりんとサラダ油を加えて炊いたものも準備した。炊き上がりにみりんのアルコール分を気にする学生もいたが、時間がたつと薄れ「味が良くなった」と好評だった。

 新蔵さんは竹炭の小片を入れて炊いても消臭効果があるとし、「備蓄米は、浸す時間を少し延ばしたり水を多めにしたりすれば、よりおいしく食べられると思う」と助言した。

■鹿児島女子短大の改元香准教授(42)の話 

 備蓄米は一定の温度で保存してほしい。開封後は早めに食べきるか、ジッパー付き保存袋に小分けして冷蔵庫の野菜室などで保管を。

 備蓄米の放出で、コメが注目されるのは生産者、消費者にとっていい機会でもある。選択肢が広がるのはもちろん、子どもたちが「古古米って何」「どこ産だろう。どうやって作られているの」などと興味を持てば、食育につながる。

 私は約30年前のコメ不足の際、タイ米のおいしさを知った。備蓄米がおいしい、おいしくないではなく、興味が広がってコメの消費量が増えることを期待する。

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