「誰一人取り残さない」――県内初、不登校特例校を設置へ 中学生対象、対人関係のスキル向上めざす さつま町

2025/06/14 14:40
山崎分教室(仮称)として活用を予定する山崎小学校の特別教室棟=さつま町山崎
山崎分教室(仮称)として活用を予定する山崎小学校の特別教室棟=さつま町山崎
 鹿児島県さつま町教育委員会は2026年度の開設を予定する宮之城中学校の「学びの多様化学校」(不登校特例校)について、町内の山崎小学校敷地への設置に向けて準備を進めている。独自の教育課程で生徒の社会生活や対人関係のスキル向上などを目指しながら、学びを保障する。

 多様化学校は増加する不登校児童・生徒の実態に合わせ、柔軟に授業の時数や内容を調整できるのが特徴。文部科学省が全国に設置を促している。県内には現在、中学生が通う多様化学校はない。

 計画するのは、中学校とは別の敷地に一部の教室を置く「分教室型」。山崎小の特別教室棟内に「山崎分教室(仮称)」を設置し、教職員を配置する予定。何らかの理由で年間30日以上欠席している町内在住の中学生を対象にする。児童との動線は分ける。計画中の教育課程では国語や数学の時数を減らす一方、探究学習が中心の総合的な学習の時間を充実させたり、社会生活技能訓練の教科を新設したりする。

 町教委学校教育課の井手口勉課長は「誰一人取り残さない学びの保障をベースにしながら、社会的に自立する力を身に付ける場にしていきたい」と話した。

 これまで不登校の生徒らの居場所になってきた教育支援センターの「ふれあい教室」(宮之城中学校内)、「さつまる~ム」(屋地楽習館内)は継続する。

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