列をつくり備蓄米を受け取る客=14日午前9時、南さつま市加世田本町のピコ
随意契約で放出された政府備蓄米の販売が14日、鹿児島県内の地方スーパーなどで始まり、買い物客らは「ようやく手に入った」「食べて味を確かめたい」と歓迎した。近日中にはコンビニ大手や離島の店舗でも店頭に並ぶ予定で、備蓄米の流通が県内でも本格化し始めた。
南さつま市の総合スーパー「タイヘイ」が運営するピコ(同市加世田本町)は、2022年産米5キロ2160円を180袋準備。14日は開店1時間前の午前8時には、整理券を求め約200人が列をつくった。先頭は午前3時ごろから並んだという。
同市加世田高橋の女性(77)は「ぜひ食べたいと思って午前7時ごろ来たら、50~60人は並んでいた」と驚いた様子。後野隆公店長(49)は「ここまで並ぶとは。まだまだ足りないと感じる」と追加で申し込んだ。
鹿児島市の山形屋ショッピングプラザ皇徳寺店も同日、午前9時半の開店と同時に5キロ350袋を発売した。混雑を避けようと事前告知をしなかったものの、約4時間後には完売した。
山形屋ストアなどが加盟するシジシージャパン(東京)確保分の一部で、残りは7月以降に受け取る予定。初めての備蓄米という近くに住む主婦(73)は「コメが高騰してから気軽に買えず困っていた。味を確かめるのが楽しみ」と笑顔で話した。
随意契約の備蓄米を巡っては、タイヨーが13日から鹿児島、宮崎両県の全94店舗で販売を開始。南九州ファミリーマートは15日、ニシムタは16日、離島のスーパーは18日ごろからの販売を予定している。