ドラム缶内の廃油を処理する作業員ら=17日、南種子町中之上
鹿児島県は17日、南種子町の産業廃棄物処理業者が同町中之上に放置している産業廃棄物について、行政代執行による撤去を開始した。廃棄物処理法に基づく県の代執行は初めて。流出の恐れのある廃油の処理から着手し、大量のドラム缶の内容物を回収した。
県廃棄物・リサイクル対策課によると、現場は大迫産業の事業所跡地。住宅地に近い国道沿いにあり、立ち入りや飛散を防ぐ壁もなく廃油ドラム缶約150本分、廃タイヤ約6200本、廃プラスチック約170立方メートルが放置されている。
廃油処理の作業員は同日、さびたドラム缶をこじ開け、10トンタンクローリー車4台で次々吸引した。同課によると、廃タイヤなど全ての廃棄物は年度内に撤去・処分する。費用は約1億1000万円の見込み。県は代執行終了後、業者と土地所有者に費用負担を求める。
県は2014年ごろから業者に適正な管理を指導。6年ほど前から指導に応じなくなったため業者と土地所有者に対し、24年11月までに全量撤去を命じる行政処分を出していた。