青空の下、海水浴を楽しむ家族連れ=19日、奄美市笠利の用安海岸
鹿児島県内で連日、夏本番を思わせる暑さが続いている。19日は今年初めての猛暑日となる35.3度を伊佐市と肝付町前田で観測した。鹿児島地方気象台は「太平洋高気圧の張り出しが強く、真夏にみられるような気圧配置になっている」としている。
気象台によると、県内で6月に猛暑日を観測するのは2022年6月30日に続き2回目。今月は15日ごろから各地で30度以上の真夏日を観測。雨は少なく厳しい暑さが続く。19日は奄美の東海上に高気圧が位置し、肝付町前田、指宿市(33.8度)、霧島市溝辺(32.4度)で6月の観測史上最も高い気温を記録した。
気象台によると、今年は上空の偏西風が平年より北寄りになっているのが特徴。この影響で上空のチベット高気圧の張り出しが北側に強い。太平洋高気圧も平年以上に北や西に張り出し、その周縁を回り込むように暖かい空気が流れ込んでいる。
他にもフィリピン東海上の海面水温が平年より高く、東南アジアで対流活動が活発になるなど、複数の要因が重なって、厳しい暑さをつくり出しているという。
九州南部は20日に発生する梅雨前線が南下してくるため、気象台は「今後1週間は梅雨が明ける状況にはない」とみている。九州南部は22日以降、天気が崩れる予報だが、予想最高気温は30度を超える日が続き、気象台は熱中症への警戒を呼びかけている。
■奄美地方が梅雨明け、降水量は平年の半分程度
鹿児島地方気象台は19日、奄美地方が梅雨明けしたとみられると発表した。平年より10日早く、昨年より3日早い。
奄美市笠利の用安海岸では海水浴を楽しむ家族連れの姿が見られた。千葉市の消防士、掛札翔吾さん(25)は18日に家族3人で奄美入りし、「いいタイミングで遊びに来られて良かった。青い空と透明度の高い海が最高で、もう夏がやってきたという感じ」と笑顔を見せた。
今年の梅雨入りは九州南部が5月16日で全国で最も早く、奄美は平年より7日遅い5月19日だった。気象台によると、上空の偏西風が平年と比べ北寄りで、大陸から延びる梅雨前線も北に偏った。
奄美や沖縄では偏西風が一時的に南へ蛇行した際に前線が南下するにとどまり、梅雨期間中の降水量は、奄美市名瀬214ミリ、沖永良部175.5ミリと各地点で平年の半分程度だった。