薩摩川内市中央消防署の浜田浩署長(左)から感謝状を受ける藤田幸輝さん=鹿児島市の鹿児島高校
鹿児島県薩摩川内市で5月に発生した住家火災で、近隣住民にいち早く避難を呼びかけ、人的被害を防いだとして、同市中央消防署は19日、鹿児島市の鹿児島高校3年、藤田幸輝さんに感謝状を贈った。
藤田さんは5月15日午後8時50分ごろ、薩摩川内市のスポーツクラブから自転車で同市平佐町の自宅へ戻る中、窓の中が真っ赤に光る一軒家を発見。パチパチという音が聞こえ、火事と気づいた。両隣の一軒家の扉をたたき、住人に119番を依頼。急いで外に避難するよう促した。
どちらの住人も、火事に気付いていなかったという。藤田さんは「家を訪ねた時、最初は特殊詐欺と疑われたが、必死に状況を説明し『避難して』と伝えた。勝手に体が動いた」と振り返る。署によると、出火した家に暮らす90代女性は外出中で無事だった。延焼もなかった。
鹿児島高校で贈呈式があり、浜田浩署長は「現場は木造住宅の密集地。迅速、的確な行動で被害抑止につながった。勇気ある行動に感謝したい」とたたえた。