受刑者役を確保した刑務所職員=24日午後2時35分ごろ、湧水町中津川
鹿児島刑務所(湧水町中津川)は24日、施設外へ逃走した受刑者を捜索、確保する訓練をした。職員と伊佐湧水署員約50人が非常時の連携体制を確認した。
塀や鉄格子のない「農場区」から作業中の男性受刑者1人が走って逃げたと想定。逃走を認知後、さすまたなどを持った職員が農場を捜索。別の職員は、受刑者の顔写真や特徴を記した書面を警察官に渡した。約30分後、近くの公園で発見し、暴れる受刑者を警察官を含む約10人で確保した。
同刑務所では1989年に農場から男性受刑者1人が一時逃走する事案があった。長谷光誉首席矯正処遇官は「万が一を想定し、初動対応の実践的訓練ができた」と述べた。懲役と禁錮を廃止し「拘禁刑」に一本化する改正刑法が1日施行されたことに触れ「逃走に踏み切らせないためにも、受刑者と刑務官の信頼関係を重視した処遇に努める」と話した。