〈続報〉揺れ収まらず――トカラ頻発地震 累計350回超す 3日連続で震度4、授業中もヘルメット着用 島民不安の夜「眠れない」〈24日午後10時現在〉

2025/06/24 22:35
 トカラ列島近海を震源とした地震は24日も午後10時までに52回発生し、鹿児島県十島村悪石島では震度4の地震が2回あった。21日からの累計は356回で、震度4の観測は22日から3日連続。鹿児島地方気象台は「数日間おいて地震が起きるケースもある」として、大きな揺れを伴う地震に注意を呼びかけている。

 24日は午前2時23分と午後4時4分ごろ、悪石島で震度4の地震があった。いずれも震源の深さは約20キロ。地震の規模はそれぞれマグニチュード4.9、5.0と推定される。

 気象台によると、一連の地震活動は、ほぼ同じ場所で繰り返し起きていることから、大陸側のプレート内部で起きる内陸地震とみられる。過去の地震で破壊された所に、フィリピン海プレートの沈み込みでひずみがたまり、地震が頻発するメカニズムだという。

 茅野真一郎・南海トラフ地震防災官は「この地域の地震活動は、活発な期間と落ち着いた期間を繰り返しながら継続することが多い」とし、今後しばらくは注意が必要としている。

◇村長ら現地入り「油断できない」

 十島村の久保源一郎村長と各課長ら8人は24日午前9時半ごろ、村営船で悪石島に入った。道路の状態や港湾設備、漁船の係留状況など島内の現状を確認した。午後開いた村政座談会には島民約20人が参加し、「夜間の揺れで眠れない」などと不安の声が上がったという。

 義務教育学校の悪石島学園は23日から、全児童生徒14人にヘルメットを着用して登校するよう指示。子どもたちは、授業中もヘルメットを着けるか机のそばに置き、いつでも頭を守れるよう備えている。

 村は、避難場所としてコミュニティーセンターを開放し、村役場には24時間態勢で職員が常駐していると説明。地震から身を守る行動をまとめたリーフレットも配った。

 久保村長は「目立った被害はなかったが、決して油断はできない。住民の不安を少しでも払拭できるよう、素早い情報の収集、発信に努める」と話した。

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