焼き上がった生米パン
南さつま市加世田の管理栄養士、吉峰明子さん(44)は、県内では珍しい生米を使ったパン教室の講師を務めている。生地はミキサーで米粒などをかき混ぜて作り、こねなくて済むと好評だ。政府備蓄米の販売が本格化する中、「古米をおいしく食べる方法の一つとして活用を」と提案している。
生米パンは一般的な米粉パンとは違い、水に浸した米や菜種油、イーストなどをミキサーにかけ、成形して発酵し焼き上げる。小麦粉やバターは使わず、もっちりとした食感が特徴。
同市加世田の「みねキッチン」で13日あった教室では、丸パンとピザを作った。ピザはチーズの代わりに生もち米と豆乳のペーストを載せた。参加した南九州市川辺の管理栄養士、東佳代さん(56)は「安心して食べられる。わずかな量の生米でパンが作れるなんて驚きでいっぱい」と話した。
講師の吉峰さんはグアテマラとペルーで国際協力機構(JICA)の青年海外協力隊を経験し、日本の豊かな食文化を再認識した。帰国後に生米パンを知り、東京の料理家に師事。インストラクターの資格を取得し、昨秋から教え始めた。
調理時は米の種類に応じて水量を調整する。備蓄米で作ってみたところ通常量で済み「さっぱりとした味。パンになれば備蓄米なのか分からなかった」という。インスタグラムはminekitchen2024