〈資料写真〉城山観光が運営する城山ホテル鹿児島=鹿児島市新照院町
城山ホテル鹿児島を運営する城山観光(鹿児島市)の2025年3月期決算は、売上高が前期比2.6%増の85億2200万円だった。当期純利益は非公表だが、事業報告書などによると、17億3207万円(前期は7億49万円の赤字)で黒字転換した。子会社だったパチンコ店経営のモリナガ(同市)を1月に事業譲渡し、譲渡益26億6500万円を特別利益に計上したことが主な要因。
25日、同ホテルで開いた定時株主総会と取締役会で報告した。株主への配当を数年ぶりに復活させ、1株当たり6円とした。
下半期(24年10月~25年3月)を中心に宿泊部門が好調で4期連続の増収となった。旧会計基準での売上高は88億6100万円で、過去最高だった19年3月期(91億9900万円)に近い水準まで回復した。
修繕費や保険料の見直し、自然減や採用抑制による人件費削減などで経費を節減した。ホテル全体の利用客数は前期比0.7%増の154万3000人、うち宿泊客は8.1%増の17万4000人。婚礼は123組減の460組。経常損益は1億4800万円の赤字(前期は7億4900万円の赤字)、営業損益は6200万円の赤字(前期は7億1700万円の赤字)だった。赤字幅はともに縮小した。
26年3月期の売上高は、旧会計基準で93億円と過去最高を見込む。矢野隆一社長(63)は「訪日客需要が伸び、客室単価は既に過去最高。稼働率が上がればさらに伸びる。省人化や原価管理の徹底などで収益性向上を図る」と説明した。
株主総会では、経営の将来性や経常赤字状態での配当の妥当性などを問う事前質問状が提出されていた。株主の一人は「納得のいく回答は得られなかった。本業の稼ぐ力は厳しく、今後への不安は払拭しきれなかった」と話した。
東清三郎会長退任を含む新役員人事も承認した。
新たな体制は次の通り(敬称略、○は新任、昇任)。
代表取締役社長 矢野隆一▽専務取締役 齊藤宏隆▽常務取締役 秋田史朗、○鳥渕和久▽取締役 徳重慎一郎、得田秀範、俣木裕一▽非常勤取締役 岩田英明、福元紳一、塩田明久、○津曲貞利▽常勤監査役 城村稔▽非常勤監査役 神藤浩明、○坂之上久之▽専務執行役員 渡千左代▽常務執行役員 ○安藤清一、谷口博文▽上席執行役員 保直延、田村弘明、長崎雄二▽執行役員 坂本和馬、堀之内秀一、迫敏幸、井手智美、森山理香、○森山敬三、○岩松尉治▽退任 東清三郎、岩元純吉、中元公明