九州電力の株主総会会場に入る株主=26日、福岡市
九州電力は26日、福岡市で株主総会を開いた。川内原発(薩摩川内市)3号機を増設しないよう求める議案など、株主提案の全17議案を反対多数で否決した。取締役選任と、期末配当を普通株式1株25円にするなどの余剰金処分の会社提案2議案は可決した。
増設反対議案は、廃炉作業中の玄海原発(佐賀県)の建て替え先として、3号機増設が注目されていると説明。半導体工場やデータセンターの立地で電力需要増を見込むのは根拠が曖昧だと指摘した。採算が取れないとも主張し、「再生可能エネルギーの投資に注力するのが賢明だ」と訴えた。
川内原発関連はほかに、使用する燃料が再処理工場(青森県)で処理できない種類だとして、運転停止や乾式貯蔵施設を建設しないよう求める議案が出た。
この日、社長に就任した西山勝氏は総会後の会見で、原発の設備利用率を増やすため、定期検査の間隔を現在の13カ月から15カ月に延ばすことや検査期間の短縮を検討することに言及。どちらも安全性の担保が大前提とし「いつまでにやるというものではない」と述べた。