打ち上げに向け射点に移動するH2Aロケット50号機=28日午前10時49分、南種子町の種子島宇宙センター
三菱重工業は28日、H2Aロケットの最終号機となる50号機を、鹿児島県南種子町の種子島宇宙センター内の組み立て棟から発射地点に移動させた。29日午前1時33分3秒に打ち上げる。打ち上げ時間帯の周辺の天気は晴れ一時曇りの予想。予備期間は7月31日まで。
同社によると、打ち上げ作業は順調に進んでいる。50号機は28日午前10時半すぎ、整備組み立て棟から約480メートル離れた射点に約30分かけて移動した。午後4時ごろから推進薬の充填(じゅうてん)を始める。
H2A50号機に搭載するのは温室効果ガス・水循環観測技術衛星「いぶきGW」。地表や海面から放出されるマイクロ波から海面水温や降水分布を推定。台風や集中豪雨の予測精度向上につなげる。温室効果ガスも計測し、濃度を監視する。打ち上げから16分後に予定の軌道で分離を目指す。
H2Aは2005年の7号機から43機連続で打ち上げに成功。引退後は、新型の基幹ロケット「H3」が役割を引き継ぐ。
打ち上げ当日は午前0時半ごろから、県庁18階でJAXAの打ち上げライブ中継がある。観覧無料。