噴煙を上げる新燃岳=28日午後0時20分ごろ、宮崎県高原町
鹿児島、宮崎両県にまたがる霧島連山・新燃岳(1421メートル)が7年ぶりに噴火して29日で1週間。マグマから分離する火山ガス(二酸化硫黄)の放出と、霧島連山の地下深くが膨張しているデータが観測されている。噴火も相次いでおり、気象台は噴石の飛散や火砕流、2011年のような爆発に伴う空振に警戒を呼びかける。
鹿児島地方気象台によると、28日午後10時現在、27日午前10時25分に観測した連続噴火が続く。噴煙は最高1600メートル、南や南東へ流れた。火山性微動も続く。29日に噴火した場合、霧島市や曽於市方向の降灰が予想される。
新燃岳は24年10月下旬に火山性地震が増え、増減を繰り返しながらピーク回数が延びている。噴火した22日から28日午後3時までは計2192回に達した。
23、24、26、27日に新燃岳周辺で現地調査した結果、火山ガスの放出量は2100〜4000トンと多い状態。人工衛星による1日1回の観測では、25年3月から霧島連山の地下深くの膨張を示すわずかな伸びがみられるという。
気象台の林幹太火山防災官によると、膨張源が霧島連山地下深くのマグマだまりかどうかは特定できていない。「詳細な分析には月単位のデータが必要だ」と話した。