30日午後6時33分ごろ、トカラ列島近海を震源とする地震があり、鹿児島県十島村悪石島で震度5弱を観測した。県や村によると、島には43世帯89人が暮らしているが、午後10時現在けが人や建物被害の情報は入っていない。悪石島で震度5弱以上を観測したのは2021年12月9日以来。
鹿児島地方気象台によると、震源の深さは約30キロで、地震の規模はマグニチュード5.1と推定される。 トカラ列島近海を震源とする地震は21日朝から続発している。同日は午後9時までに震度5弱〜1を計58回観測、10日間の累計は684回となった。
気象台は30日夜に臨時説明会を開き、「過去にも活発化と落ち着いた状態を繰り返すことが多い」と解説。当面、震度5弱程度の地震が発生する可能性があるとして注意を呼びかけた。
気象庁は、今回の地震について、陸のプレートの内部で発生したとし、北西と南東方向に張力軸を持ち上盤がずれ落ちる正断層型だと示した。津波の心配はないが、揺れの強かった地域では落石やがけ崩れに注意が必要だという。
21日から続く684回の地震の内訳は、震度5弱1回、震度4は10回、震度3は42回、震度2は169回、震度1は462回。村と県は災害警戒本部を立ち上げた。政府は首相官邸に情報連絡室を設置した。
30日午後6時33分ごろの地震による県内各地の最大震度は次の通り。
震度3 奄美市▽震度2 十島村諏訪之瀬島、小宝島、喜界町▽震度1 十島村中之島、平島、大和村、瀬戸内町、龍郷町