〈詳報〉トカラ列島近海の地震、累計940回超に 突出した回数、収束見通せず 道路と校庭にはひび〈2日午後10時現在〉

2025/07/02 23:07
頻発地震が始まった6月21日から7月2日午後9時までの震央分布図(気象庁ホームページより)右上が悪石島、左下が宝島
頻発地震が始まった6月21日から7月2日午後9時までの震央分布図(気象庁ホームページより)右上が悪石島、左下が宝島
 鹿児島県トカラ列島近海を震源とする地震は2日も続き、十島村で最大震度5弱の地震が2回あった。震度1以上の有感地震は午後10時までに116回発生し、6月21日からの累計は943回となった。気象庁は「トカラ列島での過去の地震活動と比べて、突出した回数」としている。村によるとけが人はいない。村は3日、保健師2人を悪石島に派遣し島民の体調を確認する。

 震度5弱の地震は午前4時32分ごろ悪石島で、午後3時26分ごろに小宝島で観測した。地震の規模はそれぞれマグニチュード(M)5.1、5.5と推定される。小宝島では、午前9時6〜14分の8分間に震度4の地震が3回あった。震度5弱を除く2日の午後10時までの地震は、震度4が6回、震度3が12回、震度2が27回、震度1が69回。

 村役場小宝島出張所によると、義務教育学校・小宝島学園の校庭で長さ約15メートルの亀裂を確認した。牧草畑では5メートル上の崖から落ちてきたとみられる直径1〜1.5メートルの石が見つかった。

 久保源一郎村長は2日午後、ヘリコプターで悪石島を訪れ、島民と意見交換した。地震で夜間眠れないことによる心理的負担を訴える声が多く、保健師の派遣を決めた。小宝島にも職員1人を派遣する。

 気象庁は震度5弱の地震を受けて会見し、非常に活発な地震活動が続いているとして、当分の間、同程度の地震に注意するよう呼びかけた。過去の事例から「いつ終わるのか、減っていくのか不明。身の安全を確保した上で、すぐに避難できる準備をしてほしい」としている。

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