舞い上がった灰で見通しが悪くなった道路=3日、霧島市牧園町高千穂
霧島連山・新燃岳(1421メートル)の噴火で5000メートルの噴煙が上がった3日、住民らは活発化する火山活動に不安を募らせた。灰の影響で鹿児島空港(同市)の発着便は欠航が相次ぎ、利用者らは困惑の表情を浮かべていた。
鹿児島空港では、ロビーの椅子に座り連絡を取る客が多数見られた。奄美市名瀬仲勝町の海上保安官、中野敬太さん(27)は奄美に向かう便の搭乗時間が迫っても「天候調査中」のままで不安な表情。「仕事があるので早く帰りたい。飛ばなければホテルを探さないといけない」と話した。
霧島市牧園の霧島温泉郷に宿泊している愛知県豊橋市の不動産業、糟谷耕治さん(64)は韓国岳と高千穂峰に登り、下山後に噴煙が舞い上がり驚いた。「明日帰る予定だが飛行機は飛ばなさそう。新幹線にするつもり」と語った。
同市牧園のレストラン「おふくろ」を営む上井梨香さん(47)は、山から「ゴォー、ゴォー」と低い音を聞いた。「これから客足に影響が出そうで心配」と声を落とした。
高千穂小学校は、児童に登下校時のマスク着用を呼びかけ、外遊びを控えて対応した。西留栄俊校長(53)は「児童の安全が最優先。降灰がひどければ、時差登校も視野に入れて検討したい」と話した。