震度6弱の地震発生後、悪石島に上陸する警察官ら=3日、十島村(第十管区海上保安本部提供)
トカラ列島近海で群発地震が続く中、3日は震度6弱が悪石島を襲った。鹿児島市の十島村役場では切迫した様子で職員が対応に当たった。島民はこれまでにない大きな揺れに「今回は明らかに違う。疲労は限界に近い」と話すなど、緊張状態は極限に達している。
一段と強い揺れに、島民の不安は増している。義務教育学校悪石島学園は、午後2時半ごろから震度4の地震が続いたことを受け、すぐに避難できるよう中庭で授業の一部を実施した。
全授業を終え、児童生徒6人が下校後、震度6弱を観測。再び校庭に集まり、避難指示が解除される午後5時半ごろまで、設置したテントで耐え忍んだ。當房芳朗校長(52)は「続く地震に、子どもたちも落ち着かない様子だった」と振り返る。
地元議員の畜産業坂元勇さん(60)は発生時屋外にいた。「ドドドという地鳴りがした直後、明らかに今までの地震とは違う揺れが来た」と語る。売店の商品が崩れ落ちたとの話も聞いたといい、「ついに震度6弱が来たかという印象。相次ぐ地震で、住民は常に緊張状態になっている。表情を見ても、疲労は色濃い」と話した。
十島村役場では現地や関係機関とひっきりなしに連絡を取り、ホワイトボードに島の状況を書き出した。気象庁や海上保安庁などの職員もぞくぞくと集まり、村長や幹部職員らと会議に臨んだ。