リース飾りを制作する児童ら=10日、出水市の下水流小学校
地震が続く鹿児島県十島村悪石島の児童生徒を励まそうと、出水市高尾野の下水流小学校4年生32人が、花のリース飾りを作った。義務教育学校・悪石島学園の當房芳朗校長(52)が、3月まで同小の教頭を務めていた縁。児童たちは色とりどりのキクの花を一輪一輪丁寧に飾り付け、「希望を持って元気に過ごしてほしい」「遠くから応援している」との思いを込めて島へ送った。
下水流小の4年生は毎年、地域おこしグループ「ルピナス倶楽部(くらぶ)」=福留昌三会長(80)=の協力を受け、学習農園でサトウキビを栽培し、手作りの黒糖を県外の被災地に贈っている。悪石島の子どもたちにも贈ろうと検討したが、在庫がなく、倶楽部メンバーが育てる「ムギワラギク」を活用したリース飾りに決めた。
10日は倶楽部の4人が手ほどき。黄や白の花を切り、カズラや麻ひも、布で作った円形の土台に飾り付けた。「悪石島の平和を願っています」と書いた横断幕と、5、6年生66人の寄せ書き、教職員17人の手紙と一緒に発送した。
4年の柏木蒼真さんは「地震は怖いと思うけれど、無事にけがなく過ごしてほしい」。中熊信仁校長(54)は「當房校長は児童生徒や学校の安心安全のために尽力していると思う。リースを手にした人が、少しでも穏やかな気持ちになってくれたら」と語った。