群発地震が続くトカラ列島の鹿児島県十島村悪石島で１２日、震度４の地震が１回あった。村は島外避難する住民６４人の帰島判断を最短で１７日としていたが、１８日に再延期した。希望する住民は早くて２１日発の村営船に乗ることになる。

　気象庁によると、震度４は午前１１時ごろ観測した。震源地はトカラ列島近海で、震源の深さは約２０キロ、地震の規模はマグニチュード４．８と推定される。小宝島と奄美市笠利で震度２、諏訪之瀬島や奄美市名瀬などで震度１を観測した。被害は確認されていない。

　村はこれまで、村営船による住民の島外避難を３回実施。１０日、震度４以上の地震が５日間発生しなければ、島外避難している住民のうち、希望者を帰島させる方針を示した。早くて１６日の帰島開始を目指したが、１１、１２日と震度４が相次ぎ、予定がずれ込む延期が２回続いている。

　村民への聞き取りは１４日から本格的に実施する。１３日は鹿児島県の塩田康一知事と久保源一郎村長が県警のヘリで悪石島と小宝島に入り、住民と意見交換する予定。

　福岡管区気象台によると、６月２１日以降７月１２日午後１０時までにトカラ列島近海で観測された震度１以上の有感地震は１９０４回。１２日は震度４が１回あったほか、震度３を３回、震度２を１０回、震度１を１４回観測した。