鹿児島県は16日、県が2020年度実施した新型コロナウイルス感染対策事業の補助金について、志布志市の医療機器販売卸売り「e-環強合同会社」が、同社を含む3社分の虚偽領収証を使って申請し、計30万円の不正受給があったと発表した。今後、交付決定を取り消し全額返還を命じる。
事業は、不特定多数の客らと接触する中小や個人事業主が実施する感染対策費を補助する。県商工政策課によると、同社はオゾン発生器の購入費として、自社で運営する塾への設置分と代行した2社の計3台分について、対象期間中に購入したとする領収証の写しを提出した。
ただ、23年6月に県へ情報提供があり調べたところ、実際に購入されたのは対象期間外の同社分の1台のみだった。他の2社は、同市の菓子店「風月堂」と同市の不動産業者。風月堂はe社に補助金10万円を渡し、1万円を受け取った。不動産業者は購入を取りやめ、e社に10万円返還した。
3社とも返金の意思を示しているとして、同課は「現時点で刑事告訴などは考えていない」、e社は「事実関係が一部違う」としている。