悪石島の住民と意見交換する塩田康一知事=19日、十島村悪石島(鹿児島県提供)
トカラ列島近海の群発地震を受け、鹿児島県の塩田康一知事と十島村の久保源一郎村長は19日、県の防災ヘリで悪石島と小宝島に現地調査に入った。住民との意見交換会では安全確保のほか、経済的支援を求める声が上がったと説明。塩田知事は、8月をめどに義援金を配分できないか検討していると明らかにした。
現地調査では落石のあった道路や学校の校庭のひび割れ、校舎の一部の剥がれなどを確認した。各島であった意見交換会には悪石島19人、小宝島10人が集まった。「いつ地震が終わるのか不安」「通学路や住居の耐震性を専門家目線で確認してほしい」といった安全性の確保を求める意見のほか、漁業や民宿を営む住民からは「観光客のキャンセルが続いている」「漁に出られない」などとして、支援を要望する声があった。
調査後、鹿児島市で取材に応じた塩田知事は「心身のケアや経済的支援を図り、畜産の牛を避難させる場合は国と連携したい」と話した。県などが募っている義援金については、「8月上旬に一度締めて住民に配り、第2、第3弾と検討していきたい」と述べた。
村によると、悪石島からの島外避難者のうち、新たに7人が19日夜に鹿児島市から帰島する見込み。
福岡管区気象台によると、19日の午後10時までの地震の内訳は震度2が6回、震度1が8回。6月21日からの累計は2189回となった。