釣った魚の口内に、まさかの国内未確認魚――鹿児島大学などのチームが発見

2025/07/21 14:30
〈奄美大島で釣れた〉アカヤガラの口内から見つかったハネズトラギス(鹿児島大総合研究博物館提供)
〈奄美大島で釣れた〉アカヤガラの口内から見つかったハネズトラギス(鹿児島大総合研究博物館提供)
 鹿児島大学総合研究博物館などの研究チームは、坊津沖などで採集されたアカエソ属の魚を新種と特定し、標準和名を「イロハエソ」と名付けた。奄美大島で釣れたアカヤガラの口内から見つかったトラギス属の魚も、国内で初めて正式確認し、標準和名を「ハネズトラギス」とした。6月下旬から7月5日までに、それぞれ国内外の学術誌に掲載された。

 イロハエソは鮮やかな体色にちなみ、紅葉で色づく葉を連想させる和名とした。学名には、秋を意味するラテン語を盛り込んだ。体長1.5〜10センチで、日本を含めインド・太平洋の広域に分布する。

 同属の別種とされていた標本を調査し直し、うろこの数や歯の長さなどから新種と特定した。2カ月連続で新種を発見した博士課程3年の古橋龍星さん(27)は「きちんと調べて分類しなければ、間違いが起こるという啓発になればいい」と話した。

 ハネズトラギスは体の班と横帯が赤だいだい色で、伝統色の朱華(はねず)色に由来する和名とした。奄美と台湾の4標本しか知られていない希少種で、体長は5〜10センチ。修士課程2年の栗山顕太さん(24)は「研究が進むきっかけになってほしい」と期待した。

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