防衛省の土地で出た大量ごみ、市が1100万円かけ調査…なぜ?工事中断の西之表隊員宿舎、市長「計画続行を望む」

2025/07/23 06:01
自衛隊宿舎の建設地と周囲で行われるボーリング調査=18日、西之表市西之表
自衛隊宿舎の建設地と周囲で行われるボーリング調査=18日、西之表市西之表
 西之表市馬毛島の自衛隊基地整備に絡み、同市下西校区での自衛隊宿舎建設が大量のごみの出土により停止している問題について、市は22日の市議会馬毛島対策委員会で、現地のボーリング調査をしていると明らかにした。費用は約1100万円で市の予備費を活用。地盤やごみの有無を確認した上で、防衛省に結果を提示し建設続行を求める考えだ。

 建設地は元市有地の7029平方メートル。防衛省が2022年に2260万円で購入し、10階建て1棟、97戸分の建設を進めた。

 市によると、ボーリング調査は6月24日から8月中旬まで。防衛省所有の宿舎建設地と、隣接する市有地でタバコ乾燥場の敷地の計5カ所程度で、最大10メートルほど掘って調べる。建設地は1960年代にごみ処理場だったとされる場所。着工後に古タイヤや空き瓶、人の頭の大きさ程度の石が出土したため、24年11月から工事を中断している。

 委員会で市は、今後について「防衛省と調整中で答えられない」としつつ、「市として状況を把握する必要があると判断した。建設続行を目指してボーリング調査をしている」と答弁した。委員からは、「防衛省の土地をなぜ市が調査するのか。売買の前に調べるべきだった」「市民の疑問が解消されないまま手続きが進んでは困る」といった意見が出た。

 八板俊輔市長は閉会後の取材に「計画通りに事が進むことを望む」と述べた。土地所有や宿舎建設の主体が防衛省であることを理由に、「市は言う立場にない」とし、詳細について言及を避けた。

 委員会ではこのほか、市と防衛省の協議の場を再び設けるよう求める委員の意見が出された。協議は24年6月以来開かれていない。

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