道交法違反(ひき逃げ)の疑いで逮捕された容疑者の車両=23日、鹿児島中央署
鹿児島市の天文館で18日夜、女性が車にはねられ死亡したひき逃げ容疑事件で、鹿児島中央署は23日、自動車運転処罰法違反(過失致死)と道交法違反(ひき逃げ)の疑いで、元鹿児島市議の会社員の男(62)=同市西千石町=を逮捕した。容疑者は「現場を通ったことは間違いないが、事故は身に覚えがない」と容疑を否認している。
逮捕容疑は18日午後8時5分ごろ、同市千日町の県道で乗用車を運転し、車道を徒歩で横断していた同市郡元1丁目、無職女性(75)をはねたにもかかわらず救護せずに逃走し、後続の乗用車と路線バスが女性に衝突したことにより頭部にけがを負わせ、死亡させた疑い。
同署によると、死因は頭部外傷による脳挫滅。容疑者は勤務先の車に乗っていた。左前部が破損し、市内の駐車場で19日見つかった。現場にブレーキ痕はなかった。目撃者の話や防犯カメラ映像などから容疑者が浮上した。発生場所を当初、同市呉服町としていたが、精査した結果、千日町と判明した。
現場は天文館通電停近くの電車通り沿いで、天文館から鹿児島中央駅へ向かう片側3車線の直線。女性は真ん中の車線上に出血し倒れていた。「車と高齢女性がぶつかった」と通行人から110番があった。女性は病院に搬送されたが間もなく死亡した。
容疑者は元鹿児島市議で、1996〜2016年まで5期20年務めた。