遺跡をもっと身近に――鹿児島市内の遺跡を擬人化した「いせキャラ」16体デビュー 侍風からアイドル系まで個性豊か

2025/07/28 06:30
油須木城跡(中世・郡山地区)を擬人化したキャラクター
油須木城跡(中世・郡山地区)を擬人化したキャラクター
 鹿児島市内の遺跡を擬人化した「いせキャラ」がこの夏、一挙16体デビューする。市立ふるさと考古歴史館(下福元町)が、遺跡を身近に感じてもらおうと2022年からキャラクター化に取り組む。侍風やアイドル系など個性派ぞろいで、遺跡のPR役を担う。

 いせキャラは「遺跡キャラクター」の略で、個別の名はない。6体は既に館内アンケートの回答者に配る塗り絵に登場。異人館(吉野地区)は、ロボットと女の子のコンビがかわいらしい。すり鉢をかぶとに見立て、りりしい姿の油須木城跡(郡山地区)は特に男子に人気という。

 キャラ化する遺跡は館学芸員の中村友昭さん(43)が選び、同市のイラストレーター永石浩幸さん(34)がデザイン。地域が偏らないよう配慮し、時代も旧石器から近代まで幅広い。出土品や文様などをコスチュームに織り込み、遺跡の見どころをアピールする。

 27年の開館30周年に向けて毎年度、5遺跡を取り上げてきた。今回、中間発表として、23日からの夏季企画展で未公開10体と合わせ、デザイン画やモチーフになった出土品を展示する。

 中村さんは「遺跡のイメージを可視化し、歴史に親しむきっかけになれば。館の堅苦しい印象を変えたい」。永石さんは「地元の遺跡に親しんでもらうのが目的なので愛されるキャラクター作りを心掛けている」と話す。

 企画展「いせキャラに会いに行こう」は9月23日まで(月曜休)。無料。8月の日曜は学芸員によるQ&Aもある。

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