記者の質問に答える塩田康一知事=28日、県庁
鹿児島県の塩田康一知事は28日の会見で、参院選鹿児島選挙区で自身が応援した自民党候補が落選したことに「県民の判断の結果だと受け止めている」と述べた。減税を掲げた野党が勢力を伸ばした点には「地方にとって消費税は重要な財源。ただ減税するのでなく代替財源を恒久的にどうするのか議論してもらう必要がある」と強調した。
衆参両院で政権与党が過半数割れし、「一連の政治の中で自民への批判が根強くあったのでは。立憲民主党も伸び悩み、国民の期待が新しい政党に向かった」と分析。政局が不透明な中、全国知事会などを通じ各政党や政府に地方の実情を伝える必要性を訴えた。
参院選で塩田氏は自民元職園田修光氏の集会への出席を重ね何度もマイクを握った。理由について「日程が合った。応援候補がだいぶ危ないという声も強かった」と回答。過去に鎌田要人氏ら県知事を務めた後に参院議員に転じた例を踏まえ「次期参院選への地固めか」との質問もあった。塩田氏は「自分のことを考えてということは全くない」と否定した。
当選した無所属の尾辻朋実氏に関し「県民の幅広い声を国政に届けていただけるよう期待している」と述べた。