コメもガソリンも値上がり「時給1000円は通過点にしなければ」――労働者側の訴えに、経営者側は慎重論議求める 最賃審議会の議論スタート

2025/07/29 18:07
意見を述べる労働者側委員(右)=28日、鹿児島市山下町の鹿児島労働局
意見を述べる労働者側委員(右)=28日、鹿児島市山下町の鹿児島労働局
 鹿児島地方最低賃金審議会(会長・川口俊一社会保険労務士)は28日、鹿児島市で県内の最低賃金(最賃)の改定額を議論する専門部会を開いた。2025年度1回目で、中央最低賃金審議会(中賃)による目安額決定を前に、労使の代表者委員が基本となる考え方を主張した。

 労働者側は「ガソリンやコメなど生活必需品の物価上昇で、労働者の生活は困窮している」として、「最賃1000円を通過点にしなくてはいけない」と昨年に引き続き大幅アップを求めた。連合鹿児島の白石裕治副事務局長は「現在の最賃953円は年収換算で200万円以下。生存権を確保してほしい」と述べた。

 経営者側は「県内景気は緩やかに回復しているとはいえ、先行きは不透明。ここ2年で最賃は100円上がり、負担に感じている企業も多い」と現状を説明。県経営者協会の浜上剛一郎専務理事は「最賃は罰則付きの強制力を持つため、企業の支払い能力に焦点を当てるべきだ」と慎重な審議を求めた。

 公益委員を加えた計8人が参加。中賃が目安額を提示後、具体的な金額の議論に入ることも確認した。

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