「被害者のご家族へのお気持ちは」…殺人犯の娘は、差別や排除の目にさらされた――「加害者家族も、被害者の一人だ」。オウム教祖三女の密着ドキュメンタリー上映

2025/07/31 05:48
観客の質問に答える長塚洋監督=28日、鹿児島市のガーデンズシネマ
観客の質問に答える長塚洋監督=28日、鹿児島市のガーデンズシネマ
 オウム真理教による一連の事件で、2018年に死刑が執行された松本智津夫元死刑囚=教祖名麻原彰晃=の三女麗華さん(42)に密着したドキュメンタリー映画「それでも私は」が28日、鹿児島市のガーデンズシネマで公開された。長塚洋監督(66)が舞台あいさつに立ち、「加害者家族も被害者家族も、広い意味で被害者」と思いを語った。

 地下鉄サリン事件などを首謀したとして父親が逮捕されたのは、麗華さんが12歳のとき。映画は、社会から差別や排除の目が注がれる中、加害者の家族として生き方を模索し続けた35歳からの6年間を記録する。

 上映後、観客から「監督自身が感じたことは」「撮影で気を使ったところは」などの質問があった。

 長塚監督は「彼女の思いを代弁するのではなく、微妙な距離感で寄り添いながら、信頼関係を築いたつもり。麗華さんへ『被害者のご家族に対するお気持ちは』というような質問が出ない社会になってほしい」と力を込めた。8月4日まで(2日は休映)。

鹿児島のニュース(最新15件) >

日間ランキング >