閉鎖となり、海水浴客のいなくなったゴールドビーチ大浜海水浴場=30日、南大隅町根占山本
ロシア・カムチャツカ半島付近で30日午前8時25分ごろに発生した地震で、気象庁は同日午前9時40分、鹿児島県全域にも津波注意報を発表した。県内では中種子町熊野で午後5時13分に最大70センチの津波を観測した。同日午後10時現在、注意報は継続しており、気象庁は引き続き海岸に近づかないよう呼びかけている。
県内に10ある観測地点のうち、鹿児島市を除く9地点で津波が観測された。県などによると津波による被害はこれまでに確認されていない。注意報で予想される津波の高さは最大1メートル。
志布志市は7728世帯1万4901人、日置市は3378世帯6457人、肝付町は1841世帯2962人に避難指示を発令。志布志市では約70人、日置市は約60人、肝付町では約30人が一時避難した。
交通にも影響が出た。空の便は鹿児島と大阪・神戸を結ぶ計4便が機材繰りのため欠航。海の便では注意報が解除されるまで志布志・大阪航路のフェリーさんふらわあは欠航する。定期船せとなみ、フェリーかけろまも運休した。
鹿児島地方気象台は同日午前、臨時説明会を開き、「地震が数千キロ離れた場所で起きており、注意報解除までに1日ほどかかることが予想される」との見解を示した。気象台の北川賢哉次長は「解除されるまで、絶対に海に入ったり、海岸に近づいたりしないように」と注意を呼びかけている。
県内でほかに津波を観測した地点は次の通り。
60センチ 奄美市名瀬小湊▽50センチ 枕崎市、南大隅町▽40センチ 西之表市、奄美市名瀬長浜町、十島村中之島▽30センチ 志布志市▽20センチ 阿久根市