謎多いトカラ群発地震…十島村長が防災相に要求「観測体制の充実や調査研究、国で検討を」――災害救助法適用は8月9日まで延長

2025/07/31 22:22
意見交換会であいさつする坂井学防災担当相(左)=31日、鹿児島市の十島村役場
意見交換会であいさつする坂井学防災担当相(左)=31日、鹿児島市の十島村役場
 内閣府の坂井学防災担当相は31日、トカラ列島の群発地震で、鹿児島県十島村への災害救助法の適用を8月9日まで延長したと明らかにした。当初の期限は7月31日だった。鹿児島市の村役場であった久保源一郎村長や塩田康一知事との意見交換後に説明した。

 法に基づき、島外避難した住民のホテル代やフェリー代が国庫補助の対象になっている。坂井担当相は「住民が安心して生活できるよう政府一体となって取り組む」と述べた。

 坂井担当相は地域社会を維持する離島の取り組みを視察するため、前日から三島村硫黄島を訪問した。意見交換には、三島村と屋久島町も参加。塩田知事は冒頭、群発地震で影響を受けた住民の生活支援や畜産業への経済支援に対する財源措置を求めた。2026年度末に期限切れとなる有人国境離島法の延長や拡充の要望書も提出した。

 意見交換は非公開。久保村長は終了後、トカラ列島近海で起きる地震の観測体制充実や調査研究を国で検討するよう求めたことを明らかにした。

◇島外避難の3人が悪石島帰着、派遣警察官は活動終える

 トカラ列島近海の群発地震で、島外避難していた十島村悪石島の住民3人が31日朝、村営船「フェリーとしま2」で島に到着した。小宝島を含め最大71人だった島外避難者は残り6人。村は、8月1日夜に鹿児島港(鹿児島市)を出る便を含め順次帰島させる方針。

 村は震度4以上が5日間起きなければ希望者を帰島させる方針を示していた。この方針に基づき、帰島したのは初めて。当初は7月25日夜の村営船で鹿児島港を出る予定だったが、台風のため欠航が続いていた。

 3日に震度6弱の地震が起きたのを受け、県警が悪石島に派遣した警察官は31日、現地での活動を終えた。震度4以上の地震発生が17日以降なく、被害も確認されていないため。延べ約50人が派遣された。県警は「今後も必要があれば迅速に対応する」としている。

 福岡管区気象台によると、31日は午後6時までに悪石島で震度2を1回、震度1を2回観測した。6月21日以降の有感地震の累計は2235回となった。

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