JR九州は、農業用ビニールが架線に絡まるなどして運行を見合わせるケースが近年相次いでいるとして、飛来物防止の徹底を呼びかけている。今後、台風シーズンも迎えることから、「ビニールの確実な固定や劣化品の交換など、定期的に点検してほしい」と求める。
同社によると、7月9日には九州新幹線の新水俣-出水間で、防草シートが上り列車の架線に引っかかり、撤去作業のため4本の運休と6本に最大90分の遅れが発生した。新幹線と在来線を合わせると、2022年度は4件、23年度8件、24年度8件、飛来物が原因で運行を見合わせた。
5月には長野電鉄の列車に突風で飛ばされたとみられる農機保管用の小屋が衝突し、乗客3人が死傷する事故も起きた。古宮洋二社長は7月の定例会見で「架線設備が損傷すれば復旧に長期間かかり、利用者にも迷惑をかける。鉄道の安全運行へご理解とご協力をお願いしたい」と訴えた。