ふすまの下貼りから出てきた古文書を記録する参加者=志布志市の志布志地区公民館分室
鹿児島県志布志市志布志の金剛寺の古いふすまから古文書を取り出すワークショップ(WS)が、同市の志布志地区公民館分室で開かれた。参加者は真剣な表情で、ふすまの内側に使われた古文書を剥がし、保管する作業に取り組んだ。
寺の庫裏の建て替えに伴い、古いふすまを作り直す過程で表紙(上貼り)を剥がしたところ、下貼りに江戸期から明治期とみられる古文書が確認されたのがきっかけ。市民や学生に地域の歴史に関心を持ってもらおうと、2024年9月に1回目のWSを開いた。
7月27日に開いた今回は、同寺と鹿児島歴史資料防災ネットワーク、宮崎歴史資料ネットワークが主催し、市教育委員会が共催。鹿児島大学の学生や地域住民ら約30人が参加した。
鹿大法文学部の丹羽謙治教授は「身近なところに歴史があることや志布志の魅力を知ってもらおうと開いた。今後、古文書の目録を作り、解読もできれば」。
参加者は霧吹きで湿らせてのりを溶かし、木の骨組み部分に貼り重ねられた古文書を竹串で慎重に剥がした。上下を記録して撮影する傍ら、手紙や口上とみられる古文書に書かれた地名や肩書に興味深げに見入った。
鹿大教育学部3年、永吉小那都(こなつ)さんは「大学で古文書を解読するが、こうやって読めるように整えていくんだと思った。歴史の重みと、保管や解読の大切さを改めて感じた」と話した。
同日で全てを剥がし終えられなかったため、今後も開催する。