土砂災害警戒区域を点検する鹿児島県職員ら=5日、十島村悪石島(県提供)
トカラ列島近海の群発地震を受け、鹿児島県は十島村の悪石島と小宝島で民家や公共施設など建築物の現地調査を実施し、「ひび割れは見られるが、使用上の影響はない」とする結果を6日、村へ伝えた。一方、山の斜面は崩れやすくなっており、専門家は土砂災害に注意するよう求めた。
調査は5日実施し、技術職員ら20人が公民館や学校施設、港を目視やドローン画像で確認。五つの土砂災害警戒区域も点検したところ、人家にただちに影響を及ぼす異常はなかった。
県によると、調査に同行した地頭薗隆・土砂災害対策アドバイザー(67)は「地震前より土砂災害への警戒意識を強めて」と助言した。久保源一郎村長は「島民に結果を報告して不安を取り除き、日常を戻すことに全力を注ぐ」と話した。島外避難している住民は、悪石島の1人だけとなっている。
福岡管区気象台によると、6日は午後10時までに悪石島で震度1を3回観測した。6月21日からの有感地震は累計2255回となった。