「白熊を食べたりタカプラや山形屋に行ったり。天文館には10代の頃に親しんだ場所がたくさんある」と話す大原優乃=鹿児島市役所
鹿児島市内で全編を撮影した映画「天文館探偵物語」が今秋公開される。託児所園長の顔を持つ探偵のリーダーとその仲間が、天文館で起こるさまざまな問題を解決するストーリー。アーケードや「おぎおんさぁ(祇園祭)」など鹿児島市を象徴する場所や場面が登場する。ヒロインを務めた同市出身の俳優大原優乃(25)に見どころを聞いた。
-園児の息子を育てるシングルマザーというヒロインを演じた。
「地元で撮影する作品に出演することを大きな目標にしてきたので、うれしかった。母親役は初めて。母親になった同世代が身近におらず、役作りが難しかった。息子役の俳優は初めての映像作品だったので撮影を楽しめるように、休憩中も手を握ったり一緒にお菓子を食べたりした」
-地元での撮影はどうだった。
「人が温かく、人のつながりを大切にする故郷の良さを知っている。そんな鹿児島に暮らす人たちを描く作品なので、家族でない人たちが、まるで家族のように大切な存在になっていく様子を丁寧に演じた」
「おぎおんさぁの場面は実際の祭りの最中に撮影した。祭りに参加している人みんなが鹿児島を盛り上げようと思い、楽しんでいると感じた。幼い時に見たことがあったが、大人になってより魅力を感じることができた」
「撮影期間中は市内の実家から通った。神経をすり減らすような撮影もあったが、家でご飯を食べ、パワーをチャージすることができた」
-全国上映が予定されている。
「鹿児島の魅力が全国に届くとうれしい。いつも故郷に支えられて仕事をしていると思っているので、少しでも恩返しできるよう、これからも頑張りたい」
-今後の目標は。
「お芝居にもっと触れ、役者として人として成長したい。今作は鹿児島弁を話す機会がなかったので、いつか鹿児島弁をたくさん使う役をやりたい。体を動かすのが好きなので、アクションにも挑戦したい」
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「天文館探偵物語」は11月21日、鹿児島市のTOHOシネマズ与次郎、鹿児島ミッテ10、天文館シネマパラダイスと姶良市のシネマサンシャイン姶良で全国に先駆けて公開。12月から全国上映される。
おおはら・ゆうの 1999年、鹿児島市生まれ。2009年ダンス&ボーカルグループ「Dream5」としてデビュー。グラビアアイドルとして人気に。ドラマ「ゆるキャン△」、「おいしい給食season3」などに出演。