〈資料写真〉薄紅色のつぼみがほころび、見頃を迎えたノカイドウ=5月4日午前、えびの市のえびの高原
鹿児島、宮崎両県にまたがるえびの高原だけに自生する国天然記念物のバラ科植物・ノカイドウについて、鹿児島県で保全対策に関わる団体が情報共有を図る連絡会が7月30日、えびの市のえびのエコミュージアムセンターで開かれた。11団体21人が出席。減少傾向が続く両県の生息個体数(稚樹除く)が2023年度末190株で、初めて200株を割ったことが報告された。
生息個体数の内訳は、鹿児島県が20年度比2株減の51株、宮崎県が同32株減の139株だった。
環境省えびの管理官事務所は、宮崎県側管理区域の一部を調査した結果、発芽1〜3年の実生はゼロ、5〜10年生は4株しか確認できなかったと報告。「発芽能力が失われた懸念もある」と指摘した。
会合終了後、出席者は3班に分かれ、鹿児島県側の自生地を点検。木や防獣ネットの状況を確認した。
座長を務めた県自然保護課の森政幸技術補佐は「実生が生育していない件は、環境省や専門家と相談し、対応策を考えたい」と述べた。