鹿児島県民1人あたりの借金は66万円――4年ぶり増加、前年度より2000円 24年度の県債残高独自分

2025/08/08 07:30
(資料写真)鹿児島県庁
(資料写真)鹿児島県庁
 鹿児島県は7日、2024年度一般会計の決算見込みを発表した。借金に当たる県債残高総額は前年度より296億5200万円(2.0%)減り、1兆4882億1200万円となった。総額の減少は4年連続。後年度に交付税措置される臨時財政対策債(臨財債)などを除いた県独自分は20億4500万円(0.2%)増の1兆477億7200万円で、4年ぶりに前年度を上回った。国土強靱化(きょうじんか)対策に伴う県債発行が増えたことが主な要因。

 県独自分の県債残高を県民1人当たりの借金に換算した場合、前年度より2000円増え66万円。一方、貯金に当たり、財政調整に活用できる基金残高は0.2%増の250億5700万円。県民1人当たり1万6000円となった。

 新型コロナウイルス対策費や鹿児島国体の関連経費が減少したことにより、歳入は0.6%減の9302億500万円、歳出は0.1%減の8908億6000万円となった。

 歳入のうち県税は3.6%増の1690億4700万円。企業業績が好調で法人2税が伸び、物価高騰などに伴い地方消費税が増えた。臨財債を含めた実質的な地方交付税は0.2%増の2956億1700万円。

 歳出は、職員の定年年齢引き上げに伴う退職手当の増額や、給与改定などで人件費が7.8%増の2380億1900万円。高齢化や子育て支援の伸びで扶助費は1.5%増の1402億6600万円に上り、過去最高となった。普通建設事業費は志布志港ふ頭再編改良など国直轄事業が増え0.8%増の1597億9500万円。

 行財政運営指針に基づく歳入確保や事務の効率化で、実質収支は124億4600万円の黒字となった。財政課の陸川諭課長は「扶助費や人件費は引き続き上昇が見込まれる。大幅に県債残高が増えないよう配慮しつつ、県有施設の老朽化や国土強靱化の取り組みを進める必要がある」と指摘。消費税減税を巡る議論もある中、「自主財源が乏しい財政構造は変わらない。メリハリをつけた予算編成が大切だ」と話した。

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