仮設の導水管を取り付ける工事関係者=12日、姶良市中津野
8日の記録的大雨で長く断水が続いている鹿児島県霧島、姶良両市の医療機関では12日、給水車による供給を受け人工透析するなど患者の命を守る必死の対応に追われた。床上浸水で電子システムが使えなくなったところもあり、復旧の長期化を懸念する声も聞かれる。
断水が続く姶良市西餅田の社会医療法人青雲会・青雲会病院では、1日15〜20人の人工透析患者に通常約6000リットルの水を使用。給食や手術資材の管理にも大量の水が必要になるという。
12日は午前中に給水車3台が計3万900リットルをピストン輸送した。法人の畠中泰教総務部長(54)は「復旧予定は20日。1日でも早く使えるとありがたい」と話す。
霧島市隼人の隼人温泉病院では11日に断水が解消されるまで、給水車や備蓄の水でしのいだ。その後も施設の温泉をくみ上げるポンプが一時故障したほか、空調の室外機が壊れて一部で空調が使えない状態が続く。
有島純一郎事務長(68)は「通水してひとまずホッとした」としながらも、「お盆時期と重なったため、休みの業者が多く、いつ復旧できるか分からない」と嘆く。
姶良地区医師会によると、天降川や網掛川の流域にある医療機関では床上浸水の被害で電子カルテなどが使えなくなったところもある。事務局は「システムが復旧し診療が再開するまでに時間がかかる可能性もある」としている。