仮設の導水管を取り付ける工事関係者=12日、姶良市中津野
8日に観測した記録的大雨で、姶良市と霧島市では12日現在、計約1万7600戸で断水が続いている。土砂崩れで倒壊した姶良市蒲生町白男の民家から心肺停止状態で10日に見つかった1人について、死亡が確認され、行方不明だった住人の30代女性と判明した。JR日豊線の一部と肥薩線で運休、国道10号も一部通行止めが続くなど交通への影響も残る。
倒壊家屋から見つかった女性は、南日本新聞の取材で37歳女性と分かった。県警によると、死因は圧死だった。
消防などによると、8日午前4時45分ごろ、裏山が崩れ、家屋に土砂が流れ込んだ。警察と消防が捜索を続け、10日午前6時50分ごろ、母屋に隣接する倉庫で見つかった。県警は11日午前9時25分に死亡を確認。DNA型鑑定などで身元を特定した。女性は4人暮らし。60代の母親と30代の次女が負傷、60代の父親は外出中で無事だった。
姶良市では12日午後7時時点で約1万5630戸が断水している。同市水道事業部によると、中津野の取水施設から船津にある市最大の浄水施設につなぐ導水管の破損が影響している。同日も仮設の導水管の取り付け作業が行われた。
最大約2万戸が断水した霧島市では、奥新川水源地から配水池をつなぐ導水管の復旧が進められ、11日午前1時ごろ、約50メートルの仮設水道管を設置した。断水は順次解消しているが、12日午後4時時点で約2000戸に影響が残る。県によると、霧島市犬飼、手籠川上流の2地区5世帯8人の孤立は11日午前までに解消した。
JR九州によると、線路への土砂流入などの影響で日豊線鹿児島-西都城、肥薩線吉松-隼人で運行を見合わせており、いずれも復旧は16日以降の見通し。
土砂崩れや橋台の崩壊などで、霧島市隼人町野久美田-姶良市加治木町錦江町の国道10号で通行止めが続く。これを受け、九州地方整備局と西日本高速道路九州支社は11日午後7時、東九州自動車道の隼人東インターチェンジ(IC)-加治木ICを無料開放した。
このほか、姶良、霧島市を中心に、広範囲で道路の通行止めが続いている。