土砂で埋まった農業用水路=11日、霧島市隼人町松永
8日の記録的大雨の影響で、鹿児島県霧島市内の農業用水路に土砂が流れ込む被害が出ている。同市隼人町松永の用水路は400メートル以上にわたって土砂で埋まり、水を引く隼人や日当山、国分地区の田んぼ307ヘクタールに水を通せなくなった。13日も除去作業が続いた。
管理する市国分土地改良区によると、松永を含む七つの用水路のうち、13日午後5時時点で五つが通水できていない。松永の用水路の深さは約1メートル。近隣住民によると、大雨により用水路の南東側の山で土砂崩れが起きた。8日昼から市を通じて業者を手配し、除去作業を進めるが、復旧の見通しは立っていない。
この用水路は7月にも、新燃岳噴火による降灰で霧島川に濁りが発生し、灰が田んぼに入るのを防ぐため取水を止めた時期があった。谷口誠一事務局長(58)は「これから稲の穂が出始める時期で水が必要になる。市と協力しながら引き続き復旧に向けて取り組む」と話した。
市耕地課によると、同様の被害は他にもあり、被害状況を調査しながら復旧作業を進めている。