被災家屋で活動するボランティア=13日午後1時すぎ、姶良市平松
8日の記録的大雨の影響で、最大約2万戸が断水した鹿児島県霧島市で13日、全地域の断水が解消した。姶良市の姶良地区約1万5000戸では同日配水が始まり、14日にかけて完了する見通し。同市内は約630戸で依然断水が続く。霧島、姶良両市ではボランティアによる復旧作業が本格化し、厳しい暑さの中、片付けに追われた。
姶良市は破損した水源地の導水管仮設工事を12日夜に完了し、13日午前から姶良地区1万5000戸への配水を段階的に進めた。
国道10号は13日午前、霧島市隼人町野久美田と、姶良市加治木町日木山の全面通行止めが解除された。日木山は片側交互通行。姶良市加治木の網掛橋の全面通行止めは続いている。
県のまとめによると、13日は姶良市の県道下手山田帖佐線の2カ所が復旧。国道と県道の全面通行止めは計17カ所となった。
両市ではボランティアが続々と被災地に入り、汗だくになりながら作業を急いだ。暑さ対策として休憩用のテントが設置された地域や、ファン付きのベストを着て活動する人も見られた。浸水被害が大きかった姶良市平松では、大勢の支援者が、家に入った泥を土のうに入れたり、家財道具を運び出したりした。
夫婦で駆けつけた霧島市隼人の大嶋一幸さん(51)は「少しでも役に立てれば」と側溝の泥かきに汗を流した。被災した自宅で10人以上が活動した宮内みち子さん(71)は「本当に助かる。涙が出そう」と感謝していた。
JR九州によると、運休が続く日豊線鹿児島-西都城、肥薩線吉松-隼人の復旧は16日以降の見通し。