鹿児島県警は14日、県内の60代女性が暗号資産を悪用した詐欺に遭い、約1000万円をだまし取られたと発表した。県警は同様の被害が増加しているとした上で「一度も会ったことのない人物からの送金要求は詐欺を疑い、すぐ相談してほしい」と呼び掛けている。
県警組織犯罪対策課によると、7月下旬、女性の携帯電話に「050」から始まる不在着信があった。かけ直したところ、架空とみられる会社の従業員を名乗る男から「あなたが受け取ることができる暗号資産が約500万円ある」と言われ、LINE(ライン)でのやり取りが始まった。
女性は男の指示通り暗号資産取引所に口座を開設。「まずは取引実績が必要」「振り込みに必要となる暗号資産の購入を」といった説明を受け、複数回に分けて約1000万円を送った。やり取りを始めて約1週間で男と連絡が取れなくなり、女性が県警に相談した。
同課は「暗号資産交換業者を利用する場合、金融庁や財務局に登録された事業者かどうかホームページで確認してほしい」と注意を促している。