夜空に炎が弧を描く「北山の火振り」=15日午後7時半過ぎ、日置市東市来町養母
鹿児島県・日置市東市来の北山集落で15日夜、伝統の盆行事「北山の火振り」があった。夏の夜空を焦がすように、大きな弧を描く幻想的な送り火を住民らが見守った。
北山自治会の保存会メンバーは朝から長さ6〜10メートルの竹31本を切り出した。竹にたいまつを付け、約30人が午後7時ごろから次々と点火。1本を2〜4人がかりで大きく振ってしならせると、たいまつが「ゴー、ゴー」と風を切る音とともに炎が揺れ、火の粉が飛び散った。
保存会によると、先祖や無縁仏を供養し、無病息災を祈る行事で、200年以上の歴史があるとされる。自治会長と保存会長を務める福田龍朗さん(68)は「人手が減って朝からの作業も昼までかかった。今後も何とか続けていきたい」と語った。